日本での生活は私の運命
ロシアの極東、北海道の右斜め上にあるカムチャツカ半島出身のシュラトワマリナです。今から約19年前の2003年に日本へ来日しました。日本へ留学した理由は、先程もお話しましたが北海道の右斜め上、ロシアの極東にある島の出身なので、一番身近な海外が日本だったことと、日本から輸入される商品が多かった影響で小さい頃から日本を身近に感じることができていたからです。
例えば、日本人の習慣で冬はみかんを食べますよね?実は、私の故郷カムチャツカ半島でも冬は日本から輸入したみかんを食べる習慣があります。なので、「冬はやっぱりみかんだよね~」という感じはロシア出身の私でも共感することができますよ。
最初は1年だけ留学する予定でしたが、日本での生活があまりにも心地よく「延長」「延長」「延長」と繰り返しているうちに19年もたってしまいました。もう、日本での生活は運命ですね。カムチャツカ半島は、自然豊かで生活しやすい環境でしたが、好奇心旺盛でアクティブに活動したい私にとっては狭く、息苦しさを感じていたので同じ島でも色んな事にチャレンジできる環境が整っている日本は私にとって最高の環境となりました。
通学に2時間かけても苦痛じゃなかった留学生活
日本で初めて生活した場所は長崎県長崎市です。学校は長崎ウエスレヤン大学(※2021年4月鎮西学院大学へ名称変更)構内にある日本語学校だったのですが、ここは市内ではなく長崎県諫早市(いさはやし)という、電車で当時市内から1時間弱かかる場所だったので、路面電車に揺られながら通っていました。でも、時々電車に乗り遅れたりすると、次の電車まで1時間以上待つ羽目になったり、電車がなくなったりするので何度か2時間程歩いて山を越え通学していました。今考えると、よくそんなに歩いて通っていたなと自分でも驚きますが、当時は毎日刺激的で、たとえ長時間歩くことになっても苦痛だと感じることがありませんでした。
日本で興味を持っていること、観光客や誰にも知られていない日本の秘境探し
【1】『瀬戸内しまなみ海道』
この場所は、世界的に有名なニュースサイトCNNが選ぶ『世界7大サイクリングコース』や、ヨーロッパで権威ある雑誌「ARCHITECTURAL DIGEST」誌のCondé Nast社が選ぶ、『世界で最も美しい9つのサイクリングルート』にも選ばれているので秘境ではないのですが、世界的に見ても、ちゃんと整備されたサイクリングコースは珍しいので、私は、愛媛県松山市から広島県尾道市まで自転車で70キロのコースを約3日かけて横断しました。
念願だったはずなのに、忘れていた大切なこと
この、瀬戸内しまなみ海道を横断する少し前の話ですが、あれだけ念願だった日本での生活も、社会人になると毎日同じルーティンに追われ、当時の私はロボットのように働く日々を送っていました。季節の変わり目に気づくこともなく、会社と家の往復だけ。東京にも綺麗な花見スポットは沢山あるのに、花見すらしませんでした・・・今考えると、少しゾットしますね。しかしその後、広島で生活するようになった私のもとへ、ロシアから家族が遊びに来たので、一緒に観光をしたのですが、その時初めて気づきました。「あぁ・・・私は日本で何年も生活しているのに、念願だったはずなのに・・・日本のことを何も知らない、何も見てこなかった」と。このことに気づいてから私は、当時やっていた仕事ではなく、フリーランスの仕事をしようと決心しました。しかし、フリーランスの仕事が軌道にのってきた頃に新型コロナウイルス感染症の拡大。この活動できない期間は本当に不安で押しつぶされそうになりました。でも今は、今後海外から日本へ自由に観光客が訪れることができるようになった時のために準備をしておこうと思います。
【2】『山梨県身延町(みのぶちょう)』
この場所は、東京の展示会で知り合った方との縁で訪れたのですが、その方が宿坊(しゅくぼう)体験のできるお寺のお坊さんだったので、私は3日間その方のお寺で宿坊体験を経験することにしました。山梨県の身延町を知っていますか?身延町は日光、鎌倉、箱根、河口湖と同じような自然豊かで歴史的なお寺がいくつも存在する素晴らしい場所なのに、日本人でも知っている人が少ないですよね?近年では、テレビアニメ『ゆるキャン△』の中で紹介されたこともあって聖地巡礼スポットにもなっているようですが、実際、身延町を歩いてみると、すれ違う人も少なく一見廃れているように見えます。
しかし、神聖なお寺の中では邪念にとらわれることなく、真っ新な気持ちで自分と向き合うことができるので、スピリチュアルな場所を見学したり、お坊さんと一緒に食事をしたり、お寺の中で座禅やヨガをやったり、早朝5時に起床してお坊さんのモーニングルーティンを体験したりしているうちに生まれ変わったような、清々しい気持ちになることができました。こんな体験、観光客が多い場所や都会では無理ですよね。
身延町は、先程お話した、テレビアニメ『ゆるキャン△』の聖地巡礼スポット以外にも、日蓮宗総本山として知られている『身延山久遠寺(みのぶさんくおんじ)』や身延山ロープウェイ、栄昇堂 (えいしょうどう)の「みのぶまんじゅう」など楽しめる場所が沢山ありますよ。私が接する海外からの観光客が日本に対して求めているものは、こういう変わった珍しい場所だったりするので、今後海外から観光客が訪れることができるようになったら、真っ先にここを紹介したいと思います。
ロシアの良さを日本へ、日本の良さを世界へ
私がこれまでに、発信したものや、新聞で紹介された記事です。
※YouTubeフォロワー数…572人(2022年3月現在)→ → → 『едувJapan』
※Instagramフォロワー数…1・1万人(2022年3月現在)→→→『japan.guide.maria』
※Facebookフォロワー数…862人(2022年3月現在)→→→『Матрёша マトリョー社』