私の運命を変えた、人生初の海外旅行「日本」
日本から直行便で約2時間半。「日本に最も近いヨーロッパ」で有名なロシアのウラジオストック出身、スズキオルガです。今から約20年前、友達が新潟大学へ留学していたのと、ウラジオストックから近いという理由で、日本へ旅行で訪れたのですが、これが私にとって初めての海外旅行でした。
初の海外旅行とはいっても、1人ではなく日本語が話せる友達も一緒だったので、他の人のような異国の地での大きなトラブルは経験しませんでしたが、友達と同じように日本語を使い日本人と話をしたい気持ちがあっても一言も会話することができず悔しい思いをしたことと、1人でカフェに入りホットケーキを注文した際、店員さんから「ホットケーキにシロップか、はちみつをかけますか?」と質問されたのですが、日本語が全く理解できなかった私は少しパニックになり、答えることができなかった自分に対して「恥ずかしい」と感じたことがきっかけで、帰国後、ウラジオストックの日本語学校へ通うことにしました。
この日本語学校にはロシア人と結婚した日本人の先生がいたので、日本人の先生から直接日本語を学ぶことができたのですが、この先生の教え方が本当に素晴らしく、生徒の覚え方の癖を理解した上で、必要な単語を的確に教えてくれたので、週に2回の授業でも、最低限の日本語を簡単に覚えることができました。本当に親切でわかりやすく説明してくださったので、今でも先生の名前を憶えていますよ。山下先生。あの時はありがとうございました。
その後、念願の日本留学へ!日本語を覚えるためにチャレンジしたこと
様々なことを学びたかった私は、家や学校だけの勉強では上達が遅いと考え、留学直後から友達が紹介してくれた居酒屋で約1年半アルバイトをしました。リアルな日本語を覚えるためには日本人と直接会話する方がいいですよね。 朝から夕方まで学校に通い、夕方から夜までアルバイト。確かにハードなスケジュールでしたが、しっかり学校の宿題も時間を作って勉強しましたよ。自分で計画的に目標をもって何かに取り組むことは自信にも繋がるので本当に良い経験ができました。
道端の木々や花まで手入れされている綺麗な国
※左の写真がウラジオストック、右の写真が日本(東京)です。
日本へ来て最初に気づいたことなのですが、日本は道が綺麗に整備されているだけではなく、道端の木や花も凄く綺麗に手入れされていますよね。もしかしたら、日本の方からすると、「これは驚くようなことなの?」「普通」「あたりまえじゃないですか?」と感じるかもしれませんが、ロシアでは道端の木を手入れするという考えがないというか・・・綺麗に整えようとするとコストがかかるので、誰も手入れすることなく自然に生えています。いい言い方をすればワイルド?このロシアスタイルの木や花も、けして悪くはないのですが、日本は木の形や大きさ、位置、花の色まで綺麗に揃っているので、その光景に本当に感動しました。
身だしなみに気を遣う日本人女性と自然体を好むロシアの女性
どうしてこんなにも違いがでるか、正直わからないのですが、日本の女性は髪型をアレンジする人がとても多いですよね。ロシアの女性は、基本髪の毛を切ることがなく、ストレートでそのまま伸ばす人が多いので、日本へ来たばかりの頃は本当に驚きました。髪を短くしたり、髪を染めたり、パーマをかけたり。身だしなみに凄く気を使う人が多いですよね。あと、人気の美容室も多い!!もちろん、全くロシアの女性が髪の手入れをしないわけではないのですが、日本とロシアでは真逆だなと感じました。この違いはどこから来るのか私なりに考えてみましたが、ロシアの女性は生まれた時からお姫様のように育てられ、「可愛い」「綺麗」と言われることが当たり前なのに対し、日本人の女性は(日本の男性が女性に対してあまり言葉で「可愛い」「綺麗」と伝えないことも原因だと思いますが)自分が美しいと感じるよりも、「綺麗になりたい」「美しくなりたい」と追及する思いの方が強いからかな?と思いました。あと、日本人の女性は自分の肌や体形に対しても凄く気にする人が多いですよね。ロシアの女性も日本の女性もそれぞれいい部分、悪い部分があると思うのですが、年齢を重ねた時に「ああ、若い頃から自分に対してもっとケアしてればよかったな」と感じ後悔するのはロシアの女性の方かもしれませんね。
日本で興味を持っていること「日本人の料理に対する姿勢」
現在私は、日本の食品通販会社で働いていて、小学生の子供もいるため日本料理に対して凄く興味を持っているのですが、日本に来て気づいたことが2つあります。
1つ目:日本のレストランは味が統一されている。これは、どういう意味かというと、ロシアでは基本同じお店、同じ料理でも毎日味が変わります(笑)日本の方からすると「うん?どういうこと?」って思いますよね。例えばロシアの代表料理、Piroshiki(ピロシキ)を注文したとします。あなたが、このお店のピロシキを気に入って、次の日も同じお店でピロシキを注文すると「うん?美味しいといえば美味しいけど・・・あれ?味が昨日と違う・・・」これはロシアでは『普通』の出来事です。そう、ロシアの人の考え方は「美味しければたとえ味が違ってもOK!」日本のレストランではチェーン店以外のお店でも、毎日、何年たっても味が変わらないことが『普通』ですよね?味が毎日違うとクレームとまではいかなくても、なんで毎日味が変わるの!?と不思議に思う人が多いと思います。日本の方からすると当たり前のことですが、他の国の人が見た時に「日本人は細かいな」って感じるのはこういうところだと思います。同じ味を毎日、何年も保てる技術が素晴らしいですね。
2つ目:日本では、一流レストランならわかりますが、普通の家庭料理でも色合いや料理の配置にこだわる。これは、どのように説明すれば伝わるかな?と考えてみたのですが、例えばトンカツに必ずついてくる千切りキャベツやトマト!日本の方は、たとえ家庭料理でも、盛り付けをしっかりしますよね?お弁当もそう!彩りを考えて配置しますよね?なんていうか・・・日本料理は「料理」そのものを毎日楽しんでいるように感じるというか、普段の家庭料理でも食べることを大切にして楽しんでいるように感じ、素敵だなと思います。でもこれを毎日おこなっている人は、本当に凄いことですよ。当たり前のことではなく「美味しければOK!」と、肩の力を抜いて、盛り付けを気にせず楽をすることは簡単なのに、毎日誰かのことを考えて盛り付ける。美味しい料理を作る。凄いですね。でも、少し「頑張りすぎなくても大丈夫だよ」と伝えてあげたくなります。