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インタビュー
2022.02.08

【日本で興味を持ったもの】クライロブ オレグさん

  • ロシア

私の好奇心を刺激する日本第2弾!(インタビュー2回目の登場)



 前回もお話しましたが、私の出身はロシア第二の都市サンクトペテルブルクです。伝統的な文化や世界的に有名な芸術家、壮大な建築物が沢山ある街ですが、自然に囲まれた場所ではなく、山よりも平地が広がっていているため、日本のように自然を身近に感じることができる環境にはとても心惹かれます。また、日本は四季ごとに違う景色を堪能できるため、同じ場所へ何度訪れても飽きることがありません。四季を感じながら自然に囲まれた中で生活できる。これは私が日本での生活を魅力的だと感じる一番の理由です。今回はそんな自然豊かな日本で出会ったものの中でも、特に私の好奇心を刺激したものを3つ紹介したいと思います。

私が興味を持っている物:その1「日本伝統文化」



 考えてみると、私は母国ロシアとは真逆、又は全く存在しないと感じることができるものに興味を持つ傾向があるのかもしれません。例えば、日本の伝統建築である「社寺建築(しゃじけんちく)」。ロシアにある神聖な建築物の中にも木造建築のものはあるのですが、なんというか…個人的には淡色で凄くシンプル。面白い建物だとは感じることができません。しかし日本の社寺建築は、ただ積み上げるだけではなく、一般的な木造建築物とも異なる高度な技術を使って建てられていて、瓦を使った美しい曲線の屋根や、茅をつかった茅葺屋根は、何時間でも見ていることができます。その他にも、色彩豊かな壁のデザインや、池にいる亀や鯉、動物の形をした可愛いモニュメントは、ロシアでは見ることができないものばかり。見つけると、とても幸せな気持ちになります。



後は・・・そう、浮世絵!私は浮世絵の展覧会があると必ず行くほど浮世絵が好きなのですが、ロシアの人は作者の名前や作品名を知らなくても、日本の有名な絵画「UKIYOE」のことは皆知っています。ちなみに、少し意外に感じるかもしれませんが、ロシアには有名な浮世絵コレクターもいますし、浮世絵の展覧会が開催されると毎回沢山の人が美術館へ足を運ぶ傾向があります。後、ロシアのUNIQLOで浮世絵がデザインされたシャツが販売されると、購入する人が多い印象もありますね。ちなみに、私も何着か持っていて、UNIQLOで新しい浮世絵デザインの服が販売されると必ず購入しますよ。かっこいいでしょ?

大好きな浮世絵の中でも特にお気に入りの作品といえば



葛飾北斎の「冨嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)」全46図中の1図、「凱風快晴(がいふうかいせい)」です。どんなところに魅力を感じたのかというと、これぞ浮世絵だと感じることができる色彩と、葛飾北斎の作品だとすぐわかるような迫力満点な描き方をしているところや、他の芸術作品にはない、生命力を強く感じることができるところです。 残念ながら有名な浮世絵の作品は海外にあるものが多いですが、日本で見ることができるのであれば、これからも必ず見に行こうとおもいます。あなたは、どんな浮世絵が好きですか?いつか色んな人と浮世絵について話してみたいです。

私が興味を持っている物その2「コレクターの心くすぐるご当地限定」

最初に断言させていただきます。私の母国ロシアには、色んなジャンルのコレクターはいますが、コレクターが集めたくなるようなロシア限定のものは一切ありません。何も収集できるものが…、観光地がデザインされたマグネット?そのくらいしか思いつくものがありません。それに比べて日本は、コレクターが集めたくなるような物が沢山ありますよね。例えば、観光地限定のスタンプ。私は、旅行へ行くと必ず「スタンプはないかな?」と探し、集めているのですが、押すだけでその場所へ行った記録にも記念にもなるので、とても便利です。後、「御朱印」を集めるのも趣味なのですが、神社やお寺で書いてもらう御朱印は一筆一筆自分のためだけに書いてもらえるので、御朱印集めを通じて日本の歴史や伝統文化を学びながら毎回自分だけの宝物が増えていくような気持になることができます。ロシアのコレクターがこのことを知ったら間違いなく集めたくなるでしょうね。

ご当地限定のもので、忘れてはいけないグルメ!



先程話した、観光地限定スタンプや御朱印も同じですが、日本には「その場所に行かなければ集めることができない」「その場所に行かなければ食べることができない」ご当地限定のものが本当に沢山ありますよね。例えば、妻と一緒に旅行した際に富山で食べた「富山ブラックラーメン」、岡山で食べた「カキオコ(牡蠣入りお好み焼き)」青森で食べたリンゴをつかったお菓子。このような地域限定グルメスタイルはロシアにはありません。同じロシアでも民族が変われば少し違いがでますが、基本そんなに大きく変わるような味の違いも、食べ物の違いもありません。なので、コレクターだけではなく、旅行の際に「特別」なことを体験したい観光客にとって、日本は最高の国だと思います。大都市東京にいても食べることができない絶品ご当地グルメ、ご当地商品。これらを知らずに日本を旅行するなんてもったいない。もっと世界中の人が、この日本限定の魅力に気づくといいですね。本当にオススメですよ。

私が興味を持っている物:その3「絶品日本料理」



日本には様々な伝統料理がありますが、その中でも一番ロシア出身の私が興味をもった食べ物は「海鮮料理」です。理由は簡単、ロシアでは生の状態で食べられるものがないからです。例えば、生卵をかけて食べる「たまごかけごはん」刺身、寿司、海鮮丼は新鮮さが重要ですよね。日本でも人気の「いくら」はロシアでも食べることができるのですが、生ではなく塩蔵品(※魚介類など腐敗しやすい食品を食塩に漬けて細菌を繁殖させにくくし、長期保存できるように加工された食品)でしか食べることができません。日本に来た当初は、私自身も生で食べることに驚き、抵抗がありましたが、今となっては「好き嫌いせずに食べなきゃ損だよ!!皆食べてみて!!」とアピールしたくなるほど大好きです。

どうして混ぜて一緒に食べるの!?食文化の違い



※ロシアスタイルの食事





※日本スタイルの食事





最後に1つ面白いことを話しますね。ロシアの食べ物は「スープ」と「それ以外」の2種類にわかれます。どういうことかというと、日本では「麺+スープ=つけ麺、うどん、蕎麦」「ごはん+カレー=カレーライス」と、スープとそれ以外、別々の食べ物を1セットにして食べることがありますよね。これはロシアでは体験することがない食べ方です。まれにパンをスープに浸して食べることもありますが、これはロシアから来た人は皆驚くと思います。

日本に来るまでは、四季を感じながら山、海、といった自然に囲まれた状態で生活できることの素晴らしさも、コレクター心くすぐられるような魅力あふれる物を収集するワクワク感も、同じ食材でも新鮮なものは美味しいという感覚も知りませんでしたが、日本で生活するようになって体験したことは、私自身の、ものの見方や考え方をかえました。今はコロナで世界中の人が気軽に旅行することはできませんが、私が実際に体験し興味をもったものを読んで「行きたい」「食べてみたい」「体験したい」と思ってくれたらいいなとおもいます。

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